外国為替市場では日本人に人気のあるエマージング通貨(トルコリラやメキシコペソ、南アフリカランド等)ですが、エマージングの国々特有の動きを今日はご紹介したいと思います。

高金利だからと言って危ないことは別の記事でご紹介しましたが、ここでは通貨政策に焦点を当ててまとめていきたいと思います。

エマージング通貨の通貨政策

エマージング通貨とは

最初にエマージングとは何かから説明します。これは発展途上にある国々で今後高い成長が期待できる、これからの国々と言えるでしょう。

別にフロンティアと呼ばれる市場もありますが、これは基礎的な経済状況が発展途上前にある状態の国々であり、エマージングとは少し異なります。

エマージング通貨とはそのようなこれから期待できる国々の通貨を指しており、トルコリラやメキシコペソ、南アフリカランド、人民元、そしてアジア諸国の通貨もエマージングと呼ばれています。

エマージング通貨の動きの特徴とは

エマージングの国々の特徴は自国内だけで経済成長を行うことは難しくどうしても先進国の力に頼らざる得ないということです。

つまり先進国経済に大きく影響を受けるということであり、またこれが大きなエマージング通貨を取引する上で重要なポイントとなります。

先進国が利下げを行い景気刺激策を取り始めると、最初はエマージング諸国も追随するか、先んじで利下げを行なっていきます。

現在の米中貿易摩擦からアジア諸国も利下げを行なっているところを見ると理解しやすいでしょう。

しかし一定程度利下げが進むとエマージング諸国が注意しないといけない問題が発生します。

それは「通貨安」です。

どうしてもエマージング諸国の景気が悪化すると、その国の通貨は大きく下落しやすいという特徴があります。

これは現在のトルコリラを見てもらえると理解しやすいでしょう。

トルコリラは10年ほど前まで対円で100円程度のレートとなっていましたが、現在では19円程度まで下落しており、5分の1以下まで対円で下落していることになります。

当然ながらここまで通貨安が進むと国内経済にも通貨安による悪影響が発生します。

それは輸入物価の上昇からの悪いインフレが進行するということです。

基本的にエマージング諸国は海外からの輸入を頼りにしているところも多く、このような国々は通貨安になると輸入物価が上昇するため、

実質所得の低下につながってしまいます。

そのためトルコリラが現在の政策金利である19.75%と高水準な金利を設定しているのも通貨安による国内経済の悪化を食い止めるためです。

しかし当然ながら政策金利の引き上げは基本的には金融引き締めに該当するため、融資金利は上昇する等資金の流れは悪化します。

そのためエマージング諸国はこの政策金利の引き上げによる国内経済の悪化と、通貨安による輸入物価の上昇が与える国内経済への影響を天秤にかけながら政策運営しています。

エマージング通貨が高金利なのは理由があるから

これらの説明からわかる通り、エマージング諸国の通貨金利が高水準なのはその国の通貨安を防ぐ目的もあることが整理できました。

この通貨安を怖がる理由は通貨安だけで国が破綻に追い込まれる危険性があるからです。

外国為替のマーケットは基本的に金利が高い方へ資金が流れていきます。

しかしエマージング諸国の通貨金利が高いため資金が流れていたとしても、その後一気に巻き戻しのフローが起き始めると津波のように勢いが止まらず、エマージング諸国全体にそれが波及する可能性があります。

もしも通貨安の怖さが気になった方はアジア通貨危機でどのような動きとなったかチェックしているといいでしょう。

アジア通貨危機はアジアのエマージング諸国全体がその危機を教訓に通貨政策を見直したきっかけとなったイベントです。

このような歴史的背景から考察するのも面白いでしょうね。