外国為替証拠金取引の世界は名前の通り外国為替の値動き部分を利用して利益を上げようとする取引です。

外国為替の世界はトレードのみで成り立っている世界ではなく、世界の貿易に利用される決済代金等実需と呼ばれる本当に海外の資金が必要なプレイヤーの影響を受けるマーケットです。

ここでは貿易収支が与える外国為替市場への影響についてまとめていきます。

貿易収支と外国為替の関係性とは

貿易収支とは

貿易収支とは各国が貿易を行なっている取引量の輸出と輸入の差分となります。

輸出が輸入を上回っている場合は貿易黒字と呼ばれており、輸入が輸出を上回った場合は貿易赤字と呼ばれています。

これは輸出量が多いということは外貨で入ってくるお金が輸入代金として支払う金額よりも多いということを意味しています。

日本の貿易収支の変遷

日本の貿易収支は輸出産業が国の根幹と呼ばれているほど輸出企業が多い国となっています。

2008年のリーマンショック前は恒常的に輸出量が輸入量を上回っていました。つまり貿易黒字国と言えます。

しかしリーマンショック以降の世界経済の落ち込みに影響を受けて貿易赤字に転換していました。

そして2016年世界的な金融緩和の影響もあり、日本は再度貿易黒字に転換する動きとなっています。

ではこの日本の例から外国為替市場にどのように影響を受けるのかを説明します。

貿易収支が外国為替市場に与える影響は

貿易収支が黒字ということは、日本国内に外貨建てで資金が入ってきていることが理解できます。

しかし日本企業であるため外貨が必要な訳ではありません。

そのため企業は銀行等に外貨から円貨へ転換して欲しいという注文を出します。

これはドル円で考えるとドルを売って円を買うということになり円高圧力となることがわかると思います。

この資金の動きは9月と3月である決算月に決算に向けてフローが出やすいものです。

そのためアノマリーとしても3月と9月は円高に行きやすいと言われる所以の理由の1つとなっています。

では次にその注文がどのように出されているのかを見てみましょう。

実需のフローとは

外国為替市場では実需のフローと呼ばれるものがあります。

これはトレーディングで取引を行なっている場合買ったものはどこかで売って利益確定を行うことが一般的です。

しかしながら実需と呼ばれるプレイヤーはドル自体が何かしら必要でドルを買うとそのままドルで支払ったりするプレイヤーを指しています。

逆に決算月にはドルを売って円を買うという注文が出されています。

この注文を銀行に出すのは大体東京時間朝の9時20分前後までとなっています。

そして銀行のトレーダーがその注文を執行していくのが9時半から9時55分までの間に捌いています。

なぜこの時間で行われるかという理由は、顧客の注文に対して為替レートをいくらで執行するのかの基準が9時55分のレートが基準となるからです。

これを仲値と呼ばれており、日本では三菱UFJ銀行の仲値が日本の仲値としてみなしている投資家も多いです。

貿易収支を踏まえてトレードをするために

最後に説明してきた貿易収支を考えてトレードするにはどうすればいいかをご紹介します。

3月9月は決算月と頭に入れて円高圧力がかかりやすいということを覚えておくことです。

当然これだけではトレードはできませんが、この動きが出やすいことを覚えておきながら株や金利の動きを見て判断することで有利に進めることができるでしょう。

外国為替市場の長期的なトレンドはなかなか変わるものではありませんが、一方方向に動き続ける生き物でもありません。

このように円安方向のトレンドになっているとしも、このようなアノマリーによってトレンドの強さが弱められることもあります。

これは実需のフローが要因であり、一旦小休止のような動き方をすることもあるということを覚えておきましょう。