はじめに

最大レバレッジは、保有できるポジションの大きさにも影響します。

しかし、もう一つ考慮すべきことはロスカットレベルとの関係です。

ロスカットレベル(ロスカットが執行される証拠金維持率)が同じ水準の場合には、最大レバレッジが高いブローカーのほうが強制ロスカットの執行が後になります。

以下、具体的に最大レバレッジとロスカットレベルが、強制ロスカットの計算にどのように関係しているかを簡単に考察します。

1.取引ルールの確認

まず確認する必要があるのは、自分が取引しているブローカーの取引ルールです。

取引ルールのうちでも、トレーダーにとって特に重要なのは次の2点です。

  1. ゼロカット制度の採用
  2. 強制ロスカットのルール

ゼロカットが採用されていることによって、ハイレバレッジでトレードしているときに相場が急変して、口座残高がマイナスになったとしても最大リスクは証拠金までとなります。

※ただし、マイナス残高がXMのように自動でリセットされるのか、それともサポートに連絡する必要があるのか、などの違いもあります。

もう1つは強制ロスカットのルールです。

例えば、主要な海外FXブローカーの強制ロスカットルールについては次のようになっています。

XM 証拠金維持率20%で強制ロスカット。
アイフォレックス 証拠金維持率0%で強制ロスカット
TitanFX 証拠金維持率20%で強制ロスカット。
FBS 証拠金維持率20%で強制ロスカット。 但し、ボーナス分は証拠金維持率の計算に含めない。

このように、強制ロスカットの水準が低いところもありますが、他方でレバレッジが高くても、強制ロスカットの水準が高いためわずかな逆行(またはスプレッド)で強制ロスカットされるブローカーもあります。そのため(あまり推奨しませんが)マイナーなブローカーでトレードする場合には、(信頼性などのほか)特に取引ルールをしっかりと確認する必要があります。

2.証拠金維持率とロスカット

ロスカットの基準となるのは証拠金維持率です。

証拠金維持率は、次のように計算します。

証拠金維持率の計算

証拠金維持率 = (有効証拠金 ÷ 必要証拠金)×100

必要証拠金 = 取引金額 ÷ 最大レバレッジ

有効証拠金 = 残高 + 保有ポジションの評価損益 + 保有ポジションのスワップ損益 ※参考(FXTF公式ホームページFAQ https://www.fxtrade.co.jp/support/faq)

証拠金維持率の計算例

残高:100,000円、USD/JPY:200,000通貨(2.00lot)、USD/JPY:108円

最大レバレッジ:888倍で、20pips逆行した場合。

証拠金維持率 = (60,000 ÷ 24,324)×100 = 246%

必要証拠金 = (200,000×108) ÷ 888 = 24,324 有効証拠金 = 100,000 +(-40,000)+ 0 = 60,000

計算過程がやや複雑ですが、実際にトレードしてみれば1pipsのトレードで証拠金維持率がどれくらい変動するかがわかるため、おおよその推測はつけることができます。

また、ウェブ上では必要なパラメーターさえ入力すれば、強制ロスカットが執行される具体的なレートを算出してくれるツールも提供されています。

(参考:海外FXブローカーのロスカット計算に利用できる無料ツール)

3.最大レバレッジと証拠金維持率

最大レバレッジが高いことの恩恵は、同じ数量のポジションを持つのにより少ない証拠金で済むということです。

したがって、海外FXブローカーのトレーダーは主に少ない資金で大きなトレードをすることに関心がありますが、証拠金維持率の計算に与える影響も考慮されるべきです。

すでに、示したように最大レバレッジが高いほど必要証拠金額は少なくなり、必要証拠金額が少なくなると、同じ有効証拠金額でも証拠金維持率は高くなります。

例えば、世界で最もレバレッジが高いと思われるFBSは、最大レバレッジ3,000倍を提供していますが、このハイレバレッジは主にポジションテイクというよりはむしろ、必要証拠金額を下げ、証拠金維持率を上げて、強制ロスカットの執行を遅らせることにあります。

具体的に、ハイレバレッジがどれくらい強制ロスカット時の含み損に影響するかをグラフ化しました。

上記のグラフは、ロスカットレベルが20%のブローカーにおいて、USD/JPYを10万通貨トレードした場合における数値です。

このグラフが示すところは、大きく分けて2つあります。

  • レバレッジが高ければ高いほど強制ロスカットが執行される含み損は大きくなる(ロスカットの執行が遅くなる)。
  • しかし、レバレッジが500倍を超えたあたりからの違いは、あまりない。
    ※レバレッジ200倍とレバレッジ500倍の違いは6pips以上あるが、レバレッジ500倍とレバレッジ1,000倍の違いはわずか2pips程度である。

おわりに~考察のまとめ~

最大レバレッジといえば、最大ポジションサイズに焦点が行きがちですが、実際にはロスカットの執行とも関係が深いことを考察しました。

以上のことから得られる教訓は次の通りです。

  1. レバレッジは500倍程度あれば充分である
  2. レバレッジよりも強制ロスカットの証拠金維持率の低さで選ぶ
  3. ゼロカット採用かは必ず確認する