3回目の消費税増税が2か月後に差し迫っている中、過去全てのドル円の値動きにアノマリーとも言える動きが存在します。

一般的に、増税を行うと国の財政が健全化されるため、その国にとってメリットとなると考えられます。

一方で消費税増税は消費の鈍化を招くことから株安要因のため「円が買われる要因となる」と想像しやすいかもしれませんが、実際に過去消費税増税が行われた際はドル円レートは増税後1年間で円安に推移しています。

ここでは過去のドル円の動きとその動きの背景について整理したいと思います。

消費税増税時のドル円の動きとその背景とは

消費税増税の背景

消費税10%の増税の実施時期は2015年10月を予定していましたが、世界経済の情勢悪化や8%に増税後の消費の冷え込みなどが影響して延期となっていました。

2019年10月まで再延期となっていたのもまた、世界経済の悪化とそれが及ぼす日本経済へのリスク回避が背景にありました。

消費税は、

  • 不景気でも安定的な税収が見込める
  • 特定層からのみではなく国民全体で負担できる(税負担の公平性・分散)などの性質がある

昨今の高齢者人口の増加・労働人口の減少によって膨れ上がる社会保障費用や法人税率引き下げによる税収の減額などにより、日本の財政状況は悪化している一方です。

今後ますます増え続ける社会保障費の財源を確保するためにも、安定した税収が必要であり、消費税増税はふさわしいと考えられました。

では次に過去の消費税導入時及び増税時の動きをまとめてみたいと思います。

消費税増税が行われた時のドル円の動き

消費税導入(0→3%)時のドル円レート

消費税が導入されたのは1989年4月1日。当時はバブル期のピークで、政府の財政案や日銀の金融緩和によって、最長期だと言われる1990年台に突入する前の時期でした。

その時のドル円レートは1ドル=132円でした。約1年後の1990年3月には158円台を記録する等、消費税導入時から約20%のドル高円安となっています。

◆1回目の消費税増税(3→5%)時のドル円レート

消費税が3%から5%に増税されたのは1997年4月1日。当時は深刻な不況や長引く円高の状況にありながらも、米国のドル政策によって円ドル相場が反転しようとする時期でした。

その時のドル円レートは1ドル=121円でした。その後111円台まで円高に推移をしましたが、長期で見た約1年後の1998年1月には134円台となり、5%への税率引き上げ時から約10%のドル高円安となっています。

◆2回目の消費税増税(5→8%)時のドル円レート

次に消費税率が5%から8%に引き上げられたのは2014年4月1日。当時はリーマンショックがもたらした景気悪化をアベノミクス政策のよって景気反発をさせようとしている時期でした。

その時のドル円レートは1ドル=103円でした。その後暫くはレートの変動はありませんでしたが、ドル高円安に動き始め、121円台まで上昇する等、8%への引き上げ時から約17%のドル高円安となっています。

なぜ「消費税増税→円安」という動きが発生しているのか

次に上記で説明した、増税時の円安となるアノマリーが発生しているロジックを説明します。

「増税した分だけ円の価値が下落する為」です。

消費税導入前に100円で購入できていたものが、現在では108円での購入をしているということになります。消費税が増税されると実質貨幣価値の低下に繋がり、円が結果的に下落することにつながります。

まとめ

「ドル円レート」は国内要因だけでなく、米国およびその時々の世界の政治・経済情勢等も大きく反映されます。

消費税10%の増税が円安に振れるかは断定できませんが、「消費税増税後1年の動きを追うと円安に向かう」という事例や要因を知っておくことで、取引を行う時の判断基準の1つとして利用できるでしょう。