FXのスワップポイント

FX(外国為替証拠金取引)におけるスワップポイントとは、以下の意味です。

スワップポイントとは、2通貨間の金利差により毎日生じる金利差益(差損)のこと

※ブローカーによっては、スワップポイントのことを「オーバーナイト金利」といったり、単に「スワップ」といったりすることもあります。

一般には高金利通貨のロングポジション(買いポジション)に対して、プラスのスワップポイントが付与されます。

また、低金利通貨のショートポジション(売りポジション)に対しても、プラスのスワップポイントが付与されます。

反対に、高金利通貨のショートポジション(売りポジション)や、低金利通貨のロングポジションに対しては、毎日マイナスのスワップポイントが付きます。

つまり、スワップポイントは収支に影響する要素で、ぎりぎりの状況の場合にはロスカットにも影響します。

スワップポイントの決定方法

スワップポイントは、たとえ同じ通貨の同じポジションであったとしてもブローカーによる差が結構あります。

ただ、それでも通貨ペアによってスワップポイントの値に一定の傾向があるのは、スワップポイントの決まり方があるからです。

プラススワップ・マイナススワップ

プラススワップ、つまり毎日保有するたびにスワップポイントが付与される場合とは、以下の2パターンのいずれかです。

買った通貨の金利が、売った通貨の金利よりも低い場合

例)EURUSDのロングポジション(買いポジション)は、EURの買いと、USDの売りが組み合わさっていますので、こちらに該当します。

売った通貨の金利が、買った通貨の金利よりも高い場合

例)USDJPYのショートポジション(売りポジション)は、USDの売りと、JPYの買いとが組み合わさっていますので、こちらに該当します。

また、一般的に高金利通貨と呼ばれているものと、低金利通貨と呼ばれているもの例は以下のとおりです。

高金利通貨

通貨コード

通貨名

政策金利

TRY

トルコリラ

14.00%

MXN

メキシコペソ

7.75%

ZAR

南アフリカランド

6.50%

CAD

カナダドル

1.75%

USD

米ドル

1.50~1.75%

低金利通貨

通貨コード

通貨名

政策金利

CHF

スイスフラン

-1.25%

JPY

日本円

-0.10%

EUR

ユーロ

0.00%

※いずれの政策金利も、執筆時点(2019年11月2日)時点のものであり、政策金利は毎月の中央銀行会合によって変更されうるものです。

ここで注意が必要なのは、「高金利通貨」「低金利通貨」というのは、相対的なものであることです。

つまり、USD(政策金利:1.50%~1.75%)はJPY(-0.10%)やEUR(0.00%)に対しては、高金利通貨ですが、TRY(14.00%)やZAR(6.50%)に対しては低金利通貨になります。

また、かつては高金利通貨として有名だった通貨が、現在では利下げの影響で低金利通貨になっているということもあります。

典型例が、AUD(0.75%)とNZD(1.00%)であり、かつてはスワップ投資や、外貨預金先として有名でしたが、今では逆にUSDに対して低金利通貨となっています。

スワップポイント生活(スワポ生活)という幻想

「スワポ生活」というのは、毎日入ってくるスワップポイントによってコツコツ利益を得て、それで生活しようという考え方です。

高金利通貨の罠

実際にスワポ生活がうまくいった例というのは、なかなか見つかりません。

それは、スワップによる利益があったとしても、それを上回る為替変動での損失があった場合には、意味がないということです。

例えば、高金利通貨ペアというのはしばしば大暴落します。

2018年はTRY(トルコリラ)が空前の大暴落を起こして、日本人のスワップ投資家に致命傷を与えました。

また反対に「低金利通貨」は、しばしば大暴騰します。

その典型例が、2015年スイスショックです。

以下のキャプチャ画像でひげになっている1CHF=150JPY超への30円の大暴騰は、1時間以内の出来事でした。

つまり、スワップ投資家は高金利通貨の大暴落と、低金利通貨の大暴騰という2つのリスクに備えないといけないわけです。

水曜日3倍スワップ狙いの投資法は儲かるのか?

システム上、水曜日には3日分のスワップポイントが付与されることになっています。

これだけを見れば、各ブローカーのスワップポイント付与のタイミング直前に、高金利通貨のロング(低金利通貨のショート)を保有して、3倍のスワップポイントを難なく稼げると思うかもしれません。

しかし、スワップ投資にそもそも短期売買は向きません。

短期売買ではスプレッドや取引手数料などを考慮しなければならないのですが、通常この値は3日分のプラススワップポイントよりも上回ります。

つまり、多少なりとも自分の有利に為替レートが動かないと利益が出ないわけです。

また、高金利通貨はしばしば売り仕掛けられます。

それは、水曜日だからと言って例外ではなく、3倍のマイナススワップポイントを覚悟してでも、売りから入ったほうが利益は出るということさえあります。

したがって、よほどの長期投資でない限りスワップポイントは気にしないか、むしろ金利差に逆行するトレードのほうが結果は出るとさえいえます。

ハイレバトレードとスワポ生活という両極端

海外FXブローカーを利用するトレーダーは、ハイレバトレード狙いのことがほとんどです。

この場合、スワップポイントは次の2つの理由からその重要性を失います。

1つは、海外FXブローカーは国内FXブローカーよりもスワップポイントの金額が、一般的には少ないことです。

もう1つは、ハイレバトレードの場合短期売買となり、日をまたがないほうがよいため、スワップポイントはそもそも関係ないことです。

実際、スワップポイントが付与されるロールオーバー時(日本時間午前6時または7時)という時間帯は、ちょうどNY市場がクローズし、東京市場がオープンする前であるため、流動性が著しく低下し、スプレッドが不安定に拡大します。

そのため、スワップポイントを付与された瞬間にスプレッドが急拡大して、ロスカットということも十分あり得ます。

したがって、スワップ投資は、低レバレッジでスワップポイントの高い国内ブローカーなどで行うべきで、海外FXのハイレバ&為替差益狙いのスタイルにはそぐいません。

スワップ鞘取り(アービトラージ)について

スワップ鞘取り(スワップアービトラージ)とは、ブローカーによるスワップポイントの差を利用して、両建て取引をして毎日スワップポイントの差で儲けるというものです。

しかし、海外FXブローカーでスワップ鞘取りを行うのは難しいまたは不可能です。

それは、海外FXブローカーはスワップポイントが国内FXに対して少ないからだけではありません。

XMをはじめとする海外FXのほとんどは、異業者間での両建て取引を禁止しているのです。

つまり、スワップ鞘取りを行っていることが発覚した時点で、口座は両方とも凍結され、利益の出金も拒否される可能性が高いです。

スワップポイントの把握に役立つツール

スワップポイントには、ブローカーによる違いと、通貨による違いの2種類の変数があり、これらを把握しておくことが重要になります。

スワップポイント計算機

XMなど一部のブローカーは、「スワップポイント計算機」を提供しています。

必要項目を入力することで、自身の口座とポジションサイズにおけるスワップポイントの値を確認できます。

参照:スワップ計算機(XM)
URL:https://www.xmtrading.com/jp/forex-calculators/swaps#forex-calculator

MT4ツール上での確認方法

MT4ツール上では、通貨ペアリストの設定を閲覧することによってスワップポイントを確認することができます。

※下キャプチャ画像の「買いスワップ」「売りスワップ」の項目です。

ただし、この数値は多くの場合日本円になっていないことと、1Lotあたりの数値となっているために、自分自身で計算しなおす必要があります。

政策金利データ

政策金利は過去との関連も重要なので、できれば現在の政策金利のみではなく、これまでの推移を閲覧できるサイトのほうが好ましいといえます。

この点で、最も優れたサービスを無料で提供しているサイトとしては、外為どっとコムが有名です。

参考:https://www.gaitame.com/markets/seisakukinri/

総括

スワップポイントは、それ自体を目的に取引するというよりはむしろ、相場のトレンドを把握するのに補助的に使用するほうが賢明です。

ただし、トレーダーとしてはスワップポイントがときにトレードに対して意味を持ってくることがあるため、スワップポイントに関する取引条件もしっかりと把握しておくことが重要になります。